『ましろ色シンフォニー *mutsu-no-hana』での紗凪ルート雑感

紗凪ルート。

この甘美な響きだけでPSP買ってプレイしてしまうという。発表当時はもの凄く舞い上がった、ような気が。
で、この度クリアしたので色々と雑記をば。例によってネタバレ有なのでご注意を。

原作としての紗凪

これほどまでに萌豚と化したキャラは珍しいんですが、紗凪は個人的には脳天にアレな電波が直撃するようなそりゃもう凄いキャラだったわけですよ。
みう先輩ルートでのね、アレですよアレ。所々に挟まれる紗凪のシーンがね、いい女になっていく感じがたまらなく好きでした。ぞっこんでした。色々な汁を垂れ流しました（最悪
先輩が大好きだから、大好きだからこそ彼らが次第に惹かれあう姿に引き裂かれる想いがあって。その恋が決して報われることは無かったけど、それでもプラス思考で、でも諦めきれなくて、あの雨のシーンがあって。
そして、最初はクズムシとしか思ってなかった新吾を通じて紗凪は「いい女」になっていくのです。

そんな紗凪の素直になれない優しさと可愛さに俺は枕を何度殴り叫んだことか。

PSP版としての紗凪

そして遂にPSP版で紗凪ルート追加と聞いて、期待半分不安半分でした。
いくら人気投票で１位取ったからって、とってつけたような甘々バカップルをやられただけじゃ紗凪の素晴らしさが消えてしまいそうな気がして。振られヒロインだからこそ、彼女は映えるのだと。
最初はみう先輩寄りで攻略していって、途中紗凪ルートらしき選択肢が出てきたところまでは安心の流れでした。そりゃ、新吾がみう先輩と絡まなきゃ紗凪が新吾に惹かれることなんて有り得ないでしょうから。

ただ、ルート分岐後の流れは基本的に紗凪とのイチャラブのみで進行していきました。
それに大きな不満があるわけではなく、我々をブヒブヒ言わせるあざとい台詞やシチュてんこ盛りで、デレる紗凪を待望していた私含め多くの紗凪信者の欲望を満たしたことに相違はないと思います。
でも、PC版で映えていた“振られヒロインとして成長する”紗凪の魅力には勝てなかったなあ、というのが個人的な印象です。紗凪が全般的ないい女になるかどうかではなくて、“新吾にとってのいい彼女”になるべく頑張る紗凪は可愛かったなあ、と。
みう先輩が彼氏彼女の関係に気付いているのは当然のことだとして、もはや「さっさとくっついちゃいなよYOU達」的な空気には鈍感な新吾くんと紗凪は、ほぼ2人だけのセカイにトリップしちゃってるんですよ。基本的にみう先輩が絡んでくる部分って新吾くんの１ヶ月のアレの時に空気を読んだことや、後半の紗凪が先輩に打ち明ける部分くらいで。そりゃ、先輩が新吾に惹かれていないセカイだから、紗凪が引け目を感じる描写が無い分2人だけになってしまうのは当然なのだけど。

イチャラブしてる紗凪と失恋してもなお前向きな紗凪のどちらが魅力的かと言えば、ねえ。そういうことですよ。

期待に応えること

と、いうわけで。

発狂しつつも頭に残るもやもやが晴れなかった紗凪ルートでした。
大丈夫だよ紗凪、新吾に振られても俺が一生愛ｓ……無いか。無いよな。ちきしょー可愛いな！！